モデルは「背中」をどう見せてる?
背中でわかる
「背中」は人間が得た特徴的なパーツ
ボディーミュージアムでの「背中」
生田斗真さんがナビゲートをした NHK「ボディーミュージアム」という番組で、いろいろな職種の方の「背中」を見ることができました。
特に印象に残ったのは
モデルの方々が通常とは違うポーズをかなり無理して作っているという事でした。
「ミュシャ」の描く女性の姿勢
これは後に見た「ミュシャ展」での女性の後ろ姿と合致します。
美しく見えるのはこのようなポーズなのですが、日常ではありえない姿勢です。
しかしその「背中」は女性らしさ、なまめかしさ、柔らかさなど見るものに感動を与えます。
男性の筋肉美
男性の筋肉美ではそれぞれの職種で重要とされる筋肉の説明がありました。
①和太鼓奏者の方
僧帽筋 背中の一番表面にある筋肉
日常は主に肩甲骨の動き
(腕を上げるなど)に関与
②荷物運搬業の方
脊柱起立筋 背中で最も長く、最も大きな筋肉
日常生活で姿勢を維持する土台となる
③小笠原流次期宗家の方(流鏑馬やぶさめ)
広背筋 人体で最も面積の大きい筋肉
体幹部の筋肉に属し主に肩関節
の動作に関係
小笠原流の理想の背中とは
左右対称に筋肉がついて動かせること
特に意識すべきは広背筋だといいます。
「武士歩き」
「武士歩き」では背中の軸を中心に保ちながらすり足で歩きます。
この時広背筋を左右均等に使うことでブレません。
「重心が真ん中にない、右側左側にあるという状態だと無駄な動きになる」
「戦いの中で無駄な動きというのは致命的になる」
「ですから そういう無駄な動きをしないために常に重心を真ん中に置くという意識」
「癖を植え付けておくという考えです」
僧帽筋、脊柱起立筋、広背筋 体の軸をつくるうえで、是非とも覚えていたい筋肉です。
女性のしなやかさ
①パーツモデルの方
細くても健康に見えるように「肩甲骨を寄せる運動」をしていました。
②温泉モデルの方
後ろ姿に「くびれ」を見せるためのポーズを実演。腰をそらせる動作を「ねじる」という表現で表していました。
③バレエダンサーの方
バレエで習うのは
「腕は背骨から生えている(と考える)」
「背骨と肩甲骨とひじがいつも連動してつながった状態で動かないと美しく見えない」
「肩甲骨とひじが自由に動かないと白鳥の羽はできない」
「肩を下げたまま腕を上げないといけない」
「体の中心からすべての方向に引っ張られているイメージで踊りなさい」
理想の背中は
役柄の感情(喜怒哀楽)を表現できる背中。
本当に鳥の羽のような動きです。
真似してみました。これは肩こり、そして腕を細くするのにも効く効くーっと今はまっています。
人間国宝 歌舞伎役者
坂東玉三郎さん
背中で語る究極の美
「後ろが役になっていないとダメ」
「後ろがちゃんと役になっていれば役ができたと言われる」
「花魁(おいらん)の衣装は40kgくらいあるんです」
「背中が役になっていること」
「背中」で演じるという事がいかに大事なのかがよくわかりました。
では、町娘と老女の背中での表現の違いは?
「若い娘は背中が外側にいる」・・・肩が外旋しているということ
「老けた女は前重心で落ちている」・・・肩が内旋して首も前に倒れていること
うつむいて肩が丸まった姿勢は「老けた女」を演じているということですね。
これはとても参考になります。
「背中」を演じるにあたって鍛えるのは普通、脊柱起立筋などですが(玉三郎さん説)
ご自分では特に
「腸腰筋を伸ばしてやらないといけない」との強い発言をされていました。
腸腰筋 股関節を曲げるうえで最も重要な筋肉
ランニングなど太ももを上げる動作に関与する
腸腰筋が縮んでいる人の特徴は
腹筋力がない人で、
腰痛を起こしやすい人
反り腰(腰椎過前弯)や
骨盤前傾気味なのも考えると
お腹が出てきているのを悩んでいるはずです。
「背中」をどう見せるか?
使う筋肉を意識することにより見られ方が変わります。
気付いてほしいのは反らせているだけでは美しい姿勢にはならないということです。
ミュシャの女性の姿勢が正しいわけではありません。
鍛えてこそできる魅せる姿勢を作りたいですね。
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