こんにちは。
きこうカイロ施術院の治療トレーナー、高田祐希です。
きこう:中医薬大学で学んだ医学気功師なので「きこう」。
カイロ:アメリカで解剖実習も経験したカイロプラクターなので「カイロ」。
西洋医学と中医学の両方を理解して独自のトレーニングで指導させていただいております。
西洋医学と中医学(東洋医学)の両方の知識からひざ痛を考えてみると
とてもよく理解できる事があるので今回それを書いてみます。
トリガーポイントとは?ツボとの違いは?
トリガーポイントという言葉を聞いたことがありますか?
これは筋肉や筋膜にできる硬結(コリ)で、痛みの引き金となる部位です。
トリガーポイントとツボはどちらも身体の反応点や刺激部位として知られていますが、その概念や治療法が異なります。
しかし、トリガーポイントとツボの7~8割が一致していると言われています。
トリガーポイント
・指で押すと、強い痛みや関連痛と呼ばれる離れた場所への痛みを感じるところ
・痛みだけでなく、筋の伸縮機能不全・筋力低下・しびれ・浮腫・異常姿勢など様々な悪影響を体に及ぼすところ
トリガーポイントが起こる場所
・筋肉が骨に付着する部分
・筋肉と筋肉が連結する部位
・筋肉が腱に移行する部分
・ストレスのかかりやすい部分
ツボのある場所とほぼ同じと思っていいです。

ひざが痛いと言ってもその場所は人によってそれぞれです。
押すツボ(経穴)もいろいろあります。
自分が押して気持ちいいなあ、痛いなあと思うツボが
どんな体の動かし方とつながっているのかを知ると、みなさん
「早く知っておきたかった」
とおっしゃいます。
なぜならそのツボがあるところにあるその筋肉が
どんな動きに必要なものか。そして大概その方にとっては苦手な動きです。
その筋肉を使えていたなら、使い方を知っていたなら
もっと速く走れたのに
もっと高く跳べたのに
となるので、ご自分の過去の経験を振り返ることができるというわけです。
だからひざ痛が起きた理由も理解できるようになります。
何も年齢だけのせいではありません。
まずツボとは何なのかを軽く知っておくといいと思います。
ひざ痛を中医学で診ると
ツボとは?
ツボ(経穴:けいけつ:他にも表現方法があります)という言葉を聞いたことがあると思います。
痛い所や違和感のあるところに自然に手がいって触れているうちに症状が緩和された経験や
他の人や子供に対しなでるという事で心身の具合が良くなる、いわゆる「手当て」という言葉の誕生と関連するのがツボの発見という説があります。
学術的には灸を手足の末端にすえることで身体の縦に伝達される感覚の連なりを認識されるようになり、その流れの上に鍼を打つことで、特異的な作用点が見つかりツボが発見されたと考えられたのが最初だそうです。
だから
揉んだり
温めたり
どれもある程度は効果があります。
痛いところや違和感のあるところを触れていると症状が緩和されるところというわけです。
経絡?経脈?
経絡(けいらく):気の流れ道の全体を指します
経脈(けいみゃく):経絡の主要な部分で縦方向に流れる太い道のこと
ツボは治療のポイントでもあるので
ツボを刺激することで、経絡上の「気・血」の流れを良くし、つながっている臓腑を活性化して病気を改善します。
鍼灸やあんま(最近はマッサージと言ってるかも)などは、この経絡の働きを利用した治療法です。
ただ
経絡は病邪の侵入経路でもあります。体表から侵入した病邪を体内に伝達してしまうのです。
ということなので、
ツボに当たるところを冷やしたり、ねじったりしているのは良くないわけです。
ひざ痛に関係する六淫(ろくいん)は湿邪(しつじゃ)
中医学(東洋医学の元)は、たくさんの「概念」があります。
簡単に言うと考え方いろいろあるということです。
「気」「陰陽論」「五行説」「気血津(しん水のこと)論」「臓腑経絡論」。
三因説
そして病気の原因によって3つに分けられる「三因説」
「内因(ないいん)」:人間の持つ内的要素、主に精神面の感情変化が要因となる(七情:喜・怒・憂・悲・思・怖・驚)
「外因(がいいん)」:外的な要素、気候変化が要因となる(六淫:風・寒・暑・湿・燥・火)
「不内外因(ふないがいいん)」:内因にも外因にも分けられないものが要因となる(暴飲暴食・過労・過度のセックス・打撲・外傷・糖尿病・高血圧・生活習慣病)
ひざ痛になる人は湿の邪気に襲われていることが多いです。
湿の邪気なので湿邪と呼ばれます。
(それぞれ風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪と言い表されます。)

湿邪に襲われるのはこんな人
湿邪は高い湿度による病気の要因となる邪気です。体表・筋肉・関節・胃腸などに停留する湿気が害すると考えられています。
症状としては
みぞおちのつかえ、残便感、腹部膨満感、下痢、尿量減少、身体や頭が重い、関節痛、手足の倦怠感、皮膚病、むくみ、吐き気、頭痛、めまいなど。
湿度の高い日本では気をつけないといけないものなのですが
よりこの湿邪に襲われている人がいます。
【体質的に】
脾胃虚弱:消化機能が弱く、胃腸が疲れやすい人
陽虚体質:体を温める力が弱く、冷えやすい人
痰湿体質:体内に余分な水分や老廃物が溜まりやすい人
【体質ではなく次のような人】
・甘いものが好き
・冷たいものが好き
・生ものをよく食べる人
・アルコールが好き
・脂っこいものが好き
・赤い化膿したにきびができやすい
・運動をあまりしない 筋肉量が少ない
糖質(甘いもの、アルコール)は体内に入ると水を呼びよせます。
体の中の水分が多くなると冷えます。
体が冷えると痛みが生まれます。
体の中の水の流れが悪いと熱がこもります。
湿度の高い日本の場合、体の中の水分が外に出にくい。
だから熱がこもります。(熱中症になりやすいのもこのせいです)
このように
湿邪に襲われると
冷える場合と熱を持つ場合があるわけです。
熱がこもると炎症を起こします。
それを冷やそうと患部に水がやってきます。
だからひざ痛の場合はひざに水が溜まる。
炎症がおさまればその水は自然に体に吸収されていきます。
中医学ではこのように考えます。
ひざが痛いと言いながら
甘いものを食べ続けていたり
アルコールを一定期間さえやめることができなかったり
体重を落とさないでいると
さらに治すのが難しくなります。
歩けなくなり
立てなくなるのは目に見えているのですが危機感はもてているでしょうか。
ではこのひざ痛のツボを見ていきましょう。
ひざ痛のツボと筋肉・リンパ
「腱」とは?「靭帯」とは?
ツボは「腱(けん)」の上にある場合があります。
アキレス腱とか、腱鞘炎とか腱炎とか聞いたことがありますよね。
イラストで見るとちょっと白っぽくなっている部分です。
「腱」とは?
「腱」は筋肉が骨につく部分で、筋肉の両端に位置しています。
コラーゲン繊維に富んだ弾性組織でバネのように伸び縮みする性質を持ちます。
筋肉の力を骨に伝える役割を果たしています。
年齢が上がるとコラーゲンの減少が著しいのでこの腱の部分も非常に硬くなりやすいわけです。
アスリートたちによく起こる「肉離れ」は、この腱が両側から強く引っ張られ断裂することで起こります。
ツボは「靭帯」の上にある場合もあります。
前十字靭帯、後十字靭帯、前距腓靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯・・・
ひざ周りは靭帯が非常に多く
ということは立つため歩くためには関節の安定性が必要だという事なのです。
「靭帯」とは?
骨と骨をつなぐ「靭帯(じんたい)」は白くて硬く、伸縮性はありません。靭帯もコラーゲンを主成分としているので年齢が上がるにつれ、やはり弱化の傾向があります。
腱や靭帯は損傷すると関節の安定性が著しく損なわれます。
そして治癒には時間がかかります。
野球選手やサッカー選手が靭帯の手術をよくされていますよね。
彼らはそこから並大抵ではないリハビリ、トレーニングをするから早く復帰できるのです。
手術をしても鍛えなければいけないのです。
トレーニングとは筋肉を動かして強くするということ。
じ~っと座っていても治らないってことです。
現代医学的に考えた変形性膝関節症のツボ
梁丘(りょうきゅう)は大腿直筋がかなめ
膝蓋骨底から2寸(イラスト内に「底」の文字を入れ忘れました)。
だいたい親指の幅2個分上です。

梁丘(りょうきゅう)は大腿直筋の腱上。
大腿直筋はひざを伸ばす筋肉、大腿四頭筋の一つであるのですが
大腿直筋は股関節が伸展(脚がうしろ)で膝が伸びている時に働きます。
そしてこの筋肉は股関節を曲げる筋肉でもあるので
理解しておかないと太もも前ばかりが太くなるということになるのです。
ポイントを押さえて
実際にこの動きを正しく徹底的やると痛みがなくなる人は多いです。
ひざ痛になる人
脚を後ろに伸ばすことができない人
伸ばしてるつもりでおなかを、背中を反らせているだけの人
脚を後ろに伸ばすとはこういうことです。(右の動き伸展です)

だからここを「揉んであっためて動かしやすくして」ちゃんと伸展させて!ということになります。
徹底的に動かすとひざ痛は必ず良くなります。
問題は正しくやれていない人です。
血海(けっかい)は内側広筋がかなめ
膝蓋骨底内側から2寸。このイラストは右脚なので内側にあります。

血海は内側広筋の腱上。
内側広筋は大腿四頭筋の中の一つで
この上の大腿直筋と同じくひざを伸ばす筋肉です。
ただ、この内側広筋。
ひざの伸展の最後の15°で力を発揮するところと言われてきました。
内側広筋は最初に衰えやすく、元に戻すのが難しい筋肉です。
正しくひざを伸ばしきることができればこの筋肉も活性化します。
これも実際にO脚にならない動きを足して、ひざを伸ばす運動をするだけでひざの痛みが消えた人はたくさんいます。
ひざ痛になる人
ひざが過伸展してひざが痛くなる人が多いですが、正しい位置にしてひざを伸ばそうとしてやっとこの筋肉が働くことを感じられるわけですから、この筋肉の弱化にも気が付かないわけです。
だから揉んだりすると意外に痛いというところです。
委中(いちゅう)はリンパ節がかなめ
ひざを曲げた時にできる横しわのど真ん中にあります。
これは腱上ではなく膝窩動脈の拍動部(拍動を感じるところ)でもあるので血液の流れと関係するところです。
ここはリンパ節のあるところです。

ひざ痛になる人
リンパの流れが悪い人
むくみのある人
足全体が重い人
ふくらはぎがつったり冷えがある人
リンパや血流と関係するのがこのツボです。
そもそもここが痛む人は「ひざを曲げる力が弱い」人です。
かかとの使い方からひざを曲げる力の出し方を変えるだけでひざ裏の痛みが消える人は多いです。

讀鼻(とくび)は膝蓋靭帯(大腿四頭筋)がかなめ
ひざを軽く曲げた時にできる膝蓋骨外下方の凹んでいるところで
まさしく膝蓋靭帯上の外側です。
膝蓋靭帯(膝蓋靭帯)とは?
大腿四頭筋の腱が膝蓋骨(ひざのお皿)にくっついた後、膝蓋靭帯となりそのあと脛骨(けいこつ:ひざ下にある太い方の骨)粗面(隆起した部分:触れます)へとつながっています。
だから元は大腿四頭筋。

この凹んでいるところが痛い、反応があるということはやはり大腿四頭筋が硬くなっているということになります。
太ももの大腿骨とひざ下にある脛骨とのすき間のバランスが悪く放っておくとどんどんひどくなります。
筋力低下、加齢、肥満によってひざの関節の安定性が悪くなり
膝軟骨や半月板のかみ合わせがゆるんだり変形したり断裂したりして
水が溜まったりする。
私ならさらに付け加えます。それが動き方の癖です。
本人が気が付かない限り治せません。膝蓋靭帯がかなめと書きましたがO脚を治すためにひざ過伸展になる理由も知らなくては話にならないです。
筋肉は伸縮性があるものです。この動きで「伸ばす」この動きで「縮める」・・・
このようなことを何度もやっているうちにひざの痛みを忘れてしまう人は多いです。
別の筋肉が動き出した証拠です。
ひざ痛になる人
O脚の人
年齢とともにひざとひざのすき間が広くなってきた人
ひざが過伸展(反張膝)している人
足が回内している人
次回それ以外の中医学的な考えに基づいたひざ痛のツボについても説明しますので
本当に治したいのなら
是非ご自分がどんな動きが苦手なのかに気が付いて、できるだけ早いうちから実践してみるようにして下さいね。
お読みいただきありがとうございました。
多くの方のお役に立ちますように。
高田
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