⑩陰陽五行がわかる!作用を知って季節に摂るべき五味とは。

五行3

 

五行・五季・五臓五腑に照らし合わせて書くと

五行 木 火   土   金   水
五季 春 夏   土用 秋   冬
五臓 肝 心   脾   肺   腎
五腑 胆 小腸  胃   大腸 膀胱
五味 酸 苦   甘   辛   鹹(しょっぱい)

「陰陽五行理論」は自然界のあらゆるものに適用され、食べ物にも陰と陽があり、また五つの味に分類されて五行に属すと考えます。五つの味とは

すっぱい・にがい・あまい・からい・しょっぱい  です。

食べ物はすべて五味のどれかに属します。五味は長い歴史の中で、実際に舌で感じる味や人体におよぼす作用、治療効果などもふまえて、分類されました。
食物の味が異なれば、その作用も異なります。
これは例えですがアヘンは麻薬の一種で、ケシの実から生産されます。植物からアルカロイドを合成したオピオイド系の薬物が抽出できるわけです。

アヘン剤とは、昏迷状態を引き起こす抑制剤であり、酩酊、多幸感などをもたらす一方、強力な依存性があり、
身体依存を形成します。とりわけ作用量と致死量が近い薬物で危険性が高いのです。我々が口にするもの(植物、動物、海草など)は、何かしらの作用があるということです。

五味の作用

では、五味の作用は何でしょう。
酸/酸っぱい味で、筋肉などを引き締めるしゅうれん作用がある。
苦/苦い味で、炎症を消し、固める作用がある。
甘/甘い味で、緊張を緩める作用、味を中和させる作用がある。
辛/辛い味で、体を温め、発散させる作用がある。風邪によく、発汗を促す作用がある。
鹹/塩辛い味で、やわらげる作用があり、大小便の通じをよくする。

中医学で有名な古典「黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)」にこういう言葉があります。

「五味は口から胃に入って、五臓の気を養う。」

五味は五臓五腑と密接に関連し、その(五臓五腑の)精気は食物の五味から供給されるわけです。体内に取り込まれた五味が、人体のどの部分に作用をおよぼすかまで詳しく示すのが「帰経(きけい)」です。
一つの食材でひとつの帰経の場合もあるしいくつも帰経があるものも多く、それだけ治療範囲が広いことを示します。

数千年もかけて膨大な実践経験を積み重ねて得られた結論です。

酸味は「肝・胆」・・・春
苦味は「心・小腸」・・・夏
甘味は「脾・胃」・・・土用(季節の変わり目)
辛味は「肺・大腸」・・・秋
鹹味は「腎・膀胱」・・・冬


に作用をおよぼし、それぞれの働きを補助するのです。五味をまんべんなく摂ることが五臓五腑を保護する
健康の秘訣といえます。五季・五臓五腑とつないでみます。

 

肝の働きが乱れる春

血液を貯蔵し、調節する「肝」
疲れたとき酸味のものを口にするとスッキリします。
梅干し、酢、かぼす、レモン、すもも、さくらんぼ、りんご。
酸味の元であるクエン酸によって、疲労物質である乳酸が
エネルギーに変わり、すみやかに体外に排出されるからです。
そして酸味はアルカリ性食品です。血液の酸性化も防ぐ作用も
あるわけです。

 

心臓がオーバーヒートしてしまう夏

夏は暑いです。体熱を冷ます食べ物の最たるものが苦味の食材です。
たけのこ、ふき、山菜、ごぼう、ゴーヤー、魚のはらわた、緑茶、紅茶、ビール、コーヒー。
これら苦味のある食物は、強心、消炎、止血、解熱、鎮痛作用があり、体内の熱を冷まして、「心」の高ぶりを
鎮める効用があります。

 

脾胃が疲れやすい土用

土用に衰えやすい「脾胃」を補うのがカンミノ食材です。甘味は、砂糖やはちみつ、水あめなどの甘味の調味料をはじめ、
穀物や野菜、豆類、肉や魚など、私たちが日常的に食べているほとんどの食べ物が甘味に該当します。すべての食材を五味でわけると7割が甘味に属します。胃腸が元気でなければ、体を動かし、維持するためのエネルギー源も吸収されません。
甘味が私たちの体を養うかなめとなる「脾胃」を補う食べ物だからこんなに多いのでしょう。

 

空気の乾燥が肺への影響となる秋

皮膚のかさつきや鼻炎などの呼吸器系のトラブルは大気の乾燥である「燥邪」によるものと考えます。この「燥邪」による症状を未然に防ぎ、「肺・大腸」を補う働きをもつのが辛味の食材です。ねぎ、しょうが、わさび、唐辛子などの薬味や香辛料、大根、たまねぎ、しそ、にら、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワインも辛味です。「発汗剤」となるわけです。

 

腎の弱まりとエネルギーの低下する冬

腎は生命活動を維持するエネルギーを蓄え、全身にこれを供給し、五臓五腑の健全な働きを維持する役目を担います。その腎が弱るのが冬です。気力も体力も低下し、活動量が落ちるのは寒さのせいでもあります。腎はさらに体内の水分代謝をコントロールする重要な働きがあります。塩気の多い食べ物には体を温める作用があります。鹹味は大小便の排泄に不可欠な食味であり、「腎膀胱」の機能を補い、泌尿器の働きを助けて体内の水分代謝を調整する働きがあります。
適度の鹹味は気候風土的にも体内に水分を停滞しやすい日本人には必要です。みそ、しょうゆ、わかめ、こんぶ、
ひじき、あさり、もずく、めざし、じゃこ、寒天、海苔。

 

五味の食害もあります

・酸味は脾・胃(甘味)を害し、胃を弱くする。
・苦味は肺・大腸(辛味)を害し、風邪をひく。
・甘味は腎・膀胱(鹹味)を害し、むくみが出る。
・辛味は肝・胆(酸味)を害し、酒の害が出る。
・鹹味は心・小腸(苦味)を害し、血圧が上昇する。

酸味には甘味を  (酢の物の三杯酢)
甘味には鹹味を  (ぜんざいに塩昆布)
鹹味には苦味を  (天然の食塩にはにがりが)
苦味には辛味を  (唐辛子入りごぼうのきんぴら)
辛味には酸味を  (カレーに甘酢漬けらっきょう)

相剋にあたる食味を組み合わせて、その臓器の働きを
補い、病気を未然に防ぐことが大切なわけです。
「二味配合の原則」です。

「上工ハ未病ヲ治ス」

優れた医師=上工は、かかってしまった病気を治療するのではなく
病気にかかる前に未然に防ぐのです。

料理で使う、三杯酢は優秀です。