ジュラシック・ワールド
前回「恐竜の足とハイヒール」のブログを書いてから数年経ったので書き直しを思い立ちました。
映画「ジュラシック・ワールド」も
「ジュラシック・ワールド」から「ジュラシック・ワールド/炎の王国」に。
そして
「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」が公開です。
ジュラシックワールドが終わるだけでジュラシックシリーズは終わらないそうなので安心ですが、
ジュラシック・パークからの博士たち3人がそろうのも嬉しいです。
ジュラシックワールドでのクレアのハイヒール
前々作の映画「ジュラシック・ワールド」でパークの運営責任者のクレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)は仕事をバリバリこなす女性。訪ねてきた甥っ子たちに構う暇もないほど多忙でした。
ハイヒールで走り回る
主人公クレアがハイヒールで走り回る。
その姿に
「うわぁ・・・」
と思ったのは私だけではないと思います。
この件は世界中で話題になりました。
映画をそののち何度見ても足に目がいってしまいます。
そのことについて、主演のクリス・プラットとブライス・ダラス・ハワードへのインタビューで答えています。
「クレアが履いていたヒールはどこのですか?あれくらい走れるヒールが欲しいです」
という質問に対し
「その気持ちはよくわかります」
という彼女の言葉は、ハイヒールで歩き続ける、走るということがどれだけ大変なことか全世界の共通理解なわけです。
いまだに「無痛ハイヒール」が定期的にSNSでバズるのはその証拠でしょう。
「無痛ハイヒール」の発案者としては嬉しいことです。
実はハイヒールを楽に履くための耐震マットの意匠登録も持っています。
ただ、どうしていいやらわからず特許料を払うだけで数年経っている情けなさ。
誰に相談したらいいのだろうかと数年経ちます。
全世界レベルで女性にとってはとても大きな悩みなのですが、男の人にとってはビジネスにならないととらえられてしまうのでしょうか。
耐震マットを利用するのは足裏の力が衰えてきているからです。
「足の働き」を探っていくうちに進化の歴史にたどり着きます。
恐竜の足
ハイヒールを履いているような足
恐竜の足を見ているとハイヒールを履いている足に見えるのは私だけではないようで、恐竜にハイヒールを履かせたパロディもあります。
T-rex(ティラノサウルス・レックス:恐竜時代の最末期を生物種として約300万年間生態系の頂点に君臨する)などの恐竜の絶滅については諸説があります。
最近では研究が進み、多くの科学者が「現代の鳥は生ける恐竜だ」と考えるようになりました。
だから恐竜は絶滅していないということになります。
そして恐竜にも種類があり、始祖鳥より進化した恐竜を「鳥類」と呼ぶのだそうです。
「ジュラシック・パーク」での会話の中にも
”恐竜は爬虫類より鳥類に近い生き物だった。
鳥のように恥骨は後ろに曲がり脊椎には気嚢(きのう:鳥類が備えている呼吸器官)や空洞がたくさんある。”
と話しています。
かかとの位置
注目するのは踵(かかと)の位置です。
イラストにあるように恐竜や鳥類のかかとは地面についていません。
かかとを上げ足趾の裏で地面を押さえ、「蹴る」という動作が生まれます。
ハイヒールを履いている状態と同じではないですか。
この状態は「ウインドラス機構」で説明していますが、足裏のアーチが高く上がる動きです。
⇒ウインドラスメカニズム(ウインドラス機構)について
⇒なぜ足趾を曲げてはいけないのか。ウィンドラスメカニズムについて
だからこの時に足趾が曲がってはいけないのです。
ティラノサウルスも始祖鳥も足趾は曲げていないです。
ひざと股関節を曲げたままだと
恐竜や犬、鳥類も関節の順序は人間と同じです。
鳥類に関してはひざに見えるところが逆に折れ曲がっているように感じますが、実はそこは「かかと」です。
ひざや股関節が屈曲している動物は太ももが発達しています。
ハイヒールを履くときに、ひざや股関節が屈曲してしまうと太ももが張ってしまいますから要注意ですね。
だからハイヒールで脚をまっすぐにして歩こうとすると、脚の後ろ側の筋肉(ハムストリングスなど)と殿筋群がトレーニングできると考えていいですね。
ハイヒールを履くときに、骨盤を前傾させたり、もともとの腰椎の過前弯(反り腰)でバランスを取っている人は確かにいます。
骨盤後傾に比べるとハイヒールは履きこなせるのです。
しかし若い頃はそれでいいのですが、腹筋力が落ちてくるとともにひざや股関節が屈曲していくパターンが非常に多く、体の他の部分にも支障が出やすいです。
足の形の変化
ヒトでいう踵(かかと)に見える第1趾の向きが、ニワトリになってから逆転しています。
より、つかむような形になっています。
そして鳥は、止まり木に乗る時にかかとを屈曲させると、自動的に指が木をにぎるので、あえて強く筋収縮を行わなくても、睡眠中に落ちることはありません。
ヒトの足と鳥類の足
調べてみると、
ヒトの祖先に「鳥類」の存在があることを否定できないのです。
だから本来ヒトも足裏はこうやってつかんでいるはずなのです。(ヒトの場合は踵と足趾で)
爪はすべて真上を向いているのが望ましいわけです。
足趾が浮いてしまっているのは「浮き指」。
小趾が寝てしまったりねじれたりすると
「寝指」「内反小趾」。
母趾が中指の方に倒れてくると「外反母趾」。
足の幅が広がってくると「開帳足」。
これらは全て足裏のアーチが弱化しているからです。
それがヨガでいう足のバンダ
それが足裏のアーチ
浮き指が増えているのはこの力が弱って足趾を地面に押さえられないからです。
足趾を曲げてしまうとこの足裏のアーチはできません。
「浮き指」というのは足趾が浮いたままになっている状態です。
色んな写真が出回っていますが、浮き指を治したつもりでひざが過伸展しているような写真ならアウトだと思ってください。静止画ではなく動きの中で見る必要があります。
何にせよ、足裏のアーチを上げる力には脚の後ろ側の力も必要ですし、足の回内にも気をつけなければいけません。
伸びた足趾の裏とかかとでつまむ力でアーチは上がり、この力で高い跳躍を作り上げるのがバレエダンサーです。
⇒足裏のばねは「美脚」「美尻」の要(かなめ)となるわけ(ダンスな会)
最近のランニングシューズ
速く走れるというトゥスプリングが上がった靴が主流になりつつあります。
画像をお借りしましたが、
このように地面からつま先までの高さが高くなったものが出てきました。一番左のシューズが最もトゥスプリングが大きいですね。
トゥスプリングが大きいとよりスムーズに足部が前方に移動しやすくなります。
トゥスプリングの角度が大きいと前に体重をかけるだけで転がるように進みます。
恐竜の足や犬の足を考えてみても最後のトゥ(つま先)の部分・・・
(個人的には足趾の裏だと思います)でいかに蹴りだせるかが速さに関わるのですから理にかなった靴と言えます。
しかしこれらはコントロールできるアスリートが履きこなせるシューズで、足裏の使い方が正しくない人にとってはまた間違いを起こしかねないものです。
履く場合は普段の歩き方から気を付けてほしいと思います。
ハイヒールと筋肉
今度の映画でどんな恐竜が出てくるのか楽しみです。恐竜たちが足のどこを使って地面を蹴るのか、それらをCGでどう描いているのかも興味深いところです。
ロボット工学においてのロボットの足趾の使い方が今一つな気がするのですが、きっと人間ですら間違っていくのですから作り上げるのは難しいのでしょうね。
それとも
足趾を正しく使えるロボットなどを作ってしまったら人間以上の力が出るアンドロイドが作れてしまうのかもしれませんね。それはまずいのかも。
いずれにせよ、ハイヒールをいつまでも美しく履ける人というのは実は筋力がある人なのです。
耐震マットを貼って時にはすっくと立ってみましょう。無理をしない範囲で。
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