実際に起きたひざの外側の痛み
こんにちは。「きこうカイロ施術院」の高田です。
この「ひざの外側の痛み」について書こうと思った時に腸脛靭帯炎になりました。
5年前に変形性ひざ関節症と診断され自身で克服したことは本にも書きましたが、それ以来です。
久しぶりにひざが腫れ、水が溜まり、激痛が起きました。
半月板を損傷し、ロッキングを起こしたひざです。
年齢からみても変形性ひざ関節症から来る痛みはいつでも起きる可能性があると思っていいのですが、5年間大丈夫でした。
仕事柄ひざを曲げたり伸ばしたりという動作は多く、それがちょっと負荷をかけ過ぎることが続き、さらにテニスでストップダッシュを繰り返したので予感通り再度ひざを痛めました。
今回は初めての「ひざ外側の痛み」です。
さて、どう治そうか。
痛みに対して怖さはありません。
その克服の過程を書こうと思います。(階段で痛みを感じなくなるまでの1か月間)
そして当方でのやり方でひざ痛を克服中の方から口コミが届きましたのでご紹介します。
(初診後の感想です)
先日いただいた口コミです
10年以上ひざの痛みに苦しんできました。
こちらの先生はたくさんの知識と経験を惜しみなく教えて下さいます。
私の骨格に合った正しい歩き方や筋肉の使い方などを指導して頂き、施術も気持ちが良く心身ともにスッキリしました。
ひどい痛みで寝返りの度、目が覚めていたのが、朝までぐっすり眠れるようになりました。
来院から10日後には、手すりに掴まらずリズミカルに階段の上り下りが出来るようになり、脚のラインも整ってきたような気がします。
呪文のように「イタイ・キツイ・ツライ」と言っていた私が軽やかに動けるようになったのは驚きです。
自分の体と真剣に向き合う機会を与えて頂いた先生には本当に感謝しています。
ありがとうございます。
痛みに対して、怖くなくなったと仰っていました。
筋肉は自分の頭からの命令で動かすから強くなるのです。頑張っていきましょう。
今回はひざの外側です。
その他のひざの外側が痛む病気もまず知っておくといいと思います。
腸脛靭帯がどこにつながっているかを考え、自分の痛みがどこを触ると消えるのか。
これが痛みを取る要となります。働いていない筋肉,弱化している筋肉を自覚することが治せることへの第一歩となります。
ひざの外側に痛みの出る病気
ひざの外側が痛くなる病気としてあげられるのは下記のようなものがあります。
・腸脛靭帯炎(ランナー膝)
・変形性ひざ関節症
・ひざの外側側副靭帯の損傷
半月板の損傷でも外側に痛みが来ることがあります。
ひざの外側の痛みとして最も一般的で多く起きるのが腸脛靭帯炎です。
変形性ひざ関節症
変形性ひざ関節症は私が過去に起こしたものです。
変形性ひざ関節症持ちには分かると思います。
痛む箇所が変化しますよね。ひざの痛みが
「筋肉のバランスの悪さ」
から来るものであるということを如実に表していると思います。
変形性ひざ関節症
ひざの関節の軟骨の質が低下し、少しずつすり減って歩行時や動作の中で痛みが出現する病気です。階段でひざが痛い、正座ができない、ひどくなると就寝中にも寝返りのたびに痛みが起き睡眠にも障害が起きます。
ひざの外側側副靭帯の損傷
ひざには4本の靭帯があります。
・前十字靭帯
・後十字靭帯
・内側側副靭帯
・外側側副靭帯
これら4本の靭帯が各方向にかかる力に抵抗することで、関節が異常な方向に曲がっていかないようにひざを守っています。
ひざの外側側副靭帯は大腿骨と腓骨をつなぐ靭帯です。
ひざを内側に曲げようとする力に抵抗し、安全なひざの内転運動を引き起こします。
外側側副靭帯は、交通事故や激しいスポーツでひざの内側に
内から外方向への強い衝撃を受けることや
ひざから下を内側に強くひねったりすることで
損傷します。
痛みや不安定感
ひざの外側に痛みが出ます。
ひざの外側を圧迫したり、ひざを曲げたり伸ばしたりする際にもひざの外側に痛みを感じます。
痛みに加えてひざの外側に腫れが生じることもあります。
あぐらをかくような動作と方向転換をするような動きに不安定感が出ます。
腸脛靭帯炎(ランナー膝)
腸脛靱帯炎はひざの屈伸運動を繰り返すことにより腸脛靭帯が大腿骨外顆(でっぱり)とこすれることにより炎症を起こし、疼痛が発生します。
これはオーバーユース症候群といい、「使いすぎ」が原因です。
特にマラソンなどの長距離ランナーによく起きます(ほかにバスケットボール、水泳、自転車、エアロビクス、バレエ等)。
おもにひざの外側の出っ張った部分(大腿骨外顆)付近で痛みが出ます。
きしむ感じや引っかかる感じが出ることもあります。
また、女性の場合は骨盤が大きい為股関節の出っ張った部分(大転子)での腸脛靭帯炎(ランナー膝)も多く見られます。
腸脛靭帯炎かどうかのチェック方法
ランナー膝(腸脛靭帯炎)のチェック方法
ひざを90°曲げた状態から、ひざの外側上部2~3㎝(大腿骨外側上顆と腸脛靭帯の接触部)自身の手などで押さえ、ひざを伸ばしていった際に痛みが出るかどうかで調べます。
使い過ぎ以外の原因
柔軟性の不足
ウォームアップ不足
休養の不足
クッション性のないシューズ
硬い地面
下り坂
O脚
ひざの内旋
など様々な要因が考えられます。
治し方
アイシング、休養、消炎鎮痛剤(市販の湿布も可)
病院などでは超音波などの物理療法
腸脛靭帯炎での私の治し方
次からは実際に行った私の考えに基づいた治し方です。「ひざ痛」全般に有効です。
一般的なアスリートに起こる腸脛靭帯炎では
スポーツの制限を厳守すれば1~2週間程度で症状が消失すると言われています。
制限できない場合などは、早い方だと1ヵ月程度、長くかかる方は1~3ヵ月程度かかる場合があるようです。
病院で一度はしっかり診てもらうことをお勧めします。そして病院や整体で何をしてもらえるのかも理解するといいと思います。
私の場合は過去に半月板を損傷し、変形性ひざ関節症と診断されていますし、還暦を超えています。
そしてアスリートと呼ばれるほどの運動はしていません。
通常、腸脛靭帯炎で「水が溜まる」というワードはあまり出てこないので、私の場合は今までの経緯からも
「より慎重にひざと付き合え」
との体からの警告だと理解しています。
でもやればちゃんと治ります。
まずはRICEの処置
Rest(安静)
Ice(冷却):腫れや痛みを軽減する効果
Compression(圧迫):出血や腫れを縮小
Elevation(挙上):腫れを予防
これがRICEの処置です。スポーツでの外傷の緊急処置の基本と言われてきました。
ひざが腫れ、水が溜まった私が最初に行ったのは
このRICEの処置です。
痛み、腫れを感じた初日~3,4日後までアイシング
お風呂の後に
脚を上げ、氷水(0℃)での氷嚢で患部を20分以上、感覚がなくなるまで冷やしました。
腫れはなく、痛みだけの時にもこのアイシングは有効です。
この頃、仕事をして帰るまでは、テーピングかサポーターで圧迫することを3,4日はしていました。
ちょうどその時に来られた方は私のひざが太くなり、ブヨブヨした水の溜まりを見たと思います。
その後も少し腫れてはいましたが、アイシングもテーピングもサポーターもストップし、市販の消炎鎮痛剤に切り替えました。
市販の消炎鎮痛剤(1日1枚を12日間)
市販の消炎鎮痛剤を買いに行くのが数日遅れたので初めからあればよかったなとちょっと後悔。
4日目ぐらいから貼りだしました。
市販といえどもなかなか優秀です。
最近のものは伸びもいいです。
過去の経験から病院でもらう消炎鎮痛剤の方がやはり効くとは思います。
同時にひざを曲げる練習を開始(3日目から)
腫れて水が溜まって痛みがある。
その状態で起こる体の変化は
「ひざを曲げられない」
ということです。ひざが曲げられなくなると日常すべての動きに支障が出ます。
ただ、何も知らなかった頃と異なるのは
拙著「どこに行っても治らなかったひざ痛を10日で治す私の方法」
で書いたことをそのまま行う(体の後ろを使うヒント)だけで立ち上がる、座るは痛みがあっても初めから容易でした。
3日目頃は、ようやくひざを床につけることができても正座には程遠い状態です。
両手をどこかに添えながらゆっくり静かに呼吸を整えながら激痛に耐えながらもひざを曲げます。
限界が来たらそこで止めます。ちゃんとやるのは一日に1回程度です。
次の日は前日の限界までは容易になります。だからもう少し曲げていきます。
さぼるとまた曲げられなくなっています。
後戻りしますね。
反省しつつ痛みに耐えながら正座ができるまですすめます。
私の場合ですが、5日間ほどで正座まで到達させました。
ひざが曲がらないのですから曲げようとすると本当に痛いです。
人によって痛みの感じ方が違うのですが、過去に運動をやってきたかどうか
で我慢の度合いも変わるようです。
めちゃくちゃやっていいものではありませんが痛いからと安静にしすぎるのはかえってよくありません。
このことはPOLICEの処置のところでも説明します。
度合いは自分の感覚です。
上記の口コミを書いてくださった方にも初日にやっていただきました。
長期間正座に挑戦をしてこなかった脚にも効きました。
その結果が出たわけです。
POLICEの処置へ
無謀に動かしていると思ったのではないでしょうか。実はこれは正しいのです。
今はRICEの処置での「安静」が「最適な運動」に置き換えられたPOLICEの処置に変わってきています。
もちろん「安静」は必要です。外傷が起きた現場ではPRICEの処置(RICEにProtection(保護)を加えたもの)と覚えておくといいでしょう。
POLICEの処置とは
Protection(保護):損傷した組織を保護
Optimal Loading(最適な運動)
Ice(冷却)
Compression(圧迫)
Elevation(挙上)
最適な負荷(運動)とは?
生理学的適応を最大化する構造にかかる負荷であり、早期の最適な負荷は治癒に関連する重要なタンパク質の生成を促進し、修復の質を改善することで細胞応答を促進すると考えられています。適切な負荷を適切な組織に機能的範囲内で行うことで、最適な組織修復が期待されます。
分かりやすく言うと
適度な運動を早期から行うことで筋肉の萎縮を予防し、組織修復の質を改善することが期待できる!
ということなのです。
必要以上に安静、固定をすると筋肉の萎縮や関節の拘縮などの弊害が生じることがあるのです。
例えば痛いからと動かさずに安静にしすぎると
・患部のむくみがさらに進む
・腫れが引かない
・筋力の低下
・靭帯が硬くなる
などが引きおこり結果として症状が悪化したり、完治に時間を要するようになることが分かってきました。
安静は大事ですが安静を保ち続けるのではなく、早期から少しずつ負荷をかけることでより早く改善が期待できるのです。
POLICEの処置の注意点
「適切な負荷」はどれぐらい?
損傷の程度によって異なるので設定が難しく、まだ確固たる検証結果が出ていません。まだエビデンスが確立されていないのです。
動かした方がいいということは理解できても痛みの感じ方は人によって異なります。
我慢の度合いも人によって異なります。
怖いと感じる気持ちも信じる気持ちも人によって異なるので、
まずは知識を得たら「安心」するのではないかと思うのです。
当方で筋肉や動きの説明を事細かくするのはそのためです。
正座をする際、下腿は少し内旋するのが普通です。ですがO脚、X脚、XO脚といった特徴に加え関節の緩さ、筋力の弱化度合いなどにもよりひざの屈曲の仕方は異なります。
まず少しやってみて次の日どうなっているか確認するといいです。
「ひざの外側の痛み」に必要な筋肉を動かす
ひざに水が溜まって起きること
ひざに水が溜まると、ひざ関節の安定性を担う大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が反射的に筋委縮を起こすようです。
そしてさらに関節の不安定性が増してひざの炎症が治まらない状態となります。
太もも前の筋肉が伸びないと正座はできないです。特にひざ上あたりに拘縮感があるので早期から痛みはあっても伸ばすようにしました。
ちなみに炎症が収まれば水は体内に吸収されていきます。
少し長くなったので、どこの筋肉を意識したのかは次回にご紹介します。
先に言っておくとすれば
発症から21日目(3週間後)にはテニスをいつも通りできました。私にひざ痛があったことは誰にもバレませんでした。
その後のことも次回に詳しく書きますね。
ひざ痛は治してもらうのではなく、自分で治すものです。
ご予約はこちら
ご予約、お問い合わせはお電話、下記メールアドレスにて承っております。初来院される方は必ず初診を受けていただきます。
営業時間:10:00~19:00(受付は17:30まで)
定休日:火曜日