こんにちは。「きこうカイロ施術院」の高田です。
過去に半月板損傷、変形性ひざ関節症を患い克服したにもかかわらず、腸脛靭帯炎になった私の治し方の続きです。
基本的なことは前回を参照してください。ここからはどこの筋肉を意識して動かしたかがポイントになると思います。
読むのが面倒だなと思った方は一番最後の動きだけでもやってみてくださいね。
硬くなった太もも前の筋肉を伸ばす
<ひざに水が溜まっていない場合は>
ひざの外側が痛むけれど水は溜まっていない
この場合でも正座をする、正座からひざ立てに戻すという動きをしてみることをお勧めします。
ひざ周りが痛む場合、そのほとんどが筋肉のバランスの悪さです。
そしてイラストに描かれている筋肉をいろいろ触ってみてください。
どこかが反応するはずです。
悪いのは腸脛靭帯だけではありません。
始めの目標は「正座ができること」
健常者から見ればどうということのない動きです。
しかしひざに痛みを持ってから
何年も何十年も正座をしないままになっている人をたくさん見かけます。
大腿四頭筋が伸びなくなっているのですからそのままにしておくと後の元気な歩行は望めません。
まずは初めの一歩として正座ができるようにしましょう。
トレーニングとして一番簡単だからです。
なんとかひざで立つことができれば(ひざの水があっても)そこから徐々にひざを曲げ、毎日少しずつ曲げる角度を増やしていきます。
最終的にひざの完全屈曲である正座ができることを目標にします。
両手は前でも横でも床でもどこで支えても構いません。
目的は正座ができることです。
イラストのようにつま先を立てて行ってもいいですが、使う筋肉は少し変化します。
難易度は正座の方が高いでしょう。
どちらもやってみたらいいのです。
なぜ痛みがあるのに早期から動かす方が良いのかは前回書きました。
安静がいいわけでもないのです。
早くから動かすようにした方が
治癒に関連する重要なタンパク質の生成を促し、
修復の質を改善することで細胞の反応も促進され、組織の修復が期待できるのです。
ひざに水が溜まると膝関節の安定性を担う大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が反射的に筋委縮を起こすということも前回書きましたが、何もしないでいると太ももの前が硬いままになってしまうのです。
正座をするという動作とは「ひざを曲げる」という動きです。
長期間ひざを屈曲しないでいると、屈曲に携わる筋肉も機能しなくなります。
ひざの屈曲が何か引っかかる感じがする、痛みが変わるなどという場合、
次のひざを屈曲させる筋肉のイラストの中のどれかの筋肉が動きにくくなっているのでは・・・と考えるといいのです。
ひざを屈曲させる筋肉
目標
①正座ができるようになる。
②正座が楽にできるようになる。
そして
③正座したまま少しひざを左右に少しずらすような動きを怖くなくできる。
どのような時でも右脚と左脚を比べることが大切です。
どれぐらいかかるかは人によると思います。
硬くなっている筋肉を伸ばすのですからその痛みはありますので理解してください。
筋スパズムを起こしている場合もあります。
そうなると無理やり伸ばそうとしても伸びません。
リラックスして(痛いのにリラックスなんて酷な話ですが)深い呼吸を試みながら数ミリでも曲げてみる。
お風呂の湯船の中で行ったり、シャワーのお湯を当てて行うのもお勧めです。
ちなみにひざを屈曲するときに、下腿は少し内旋するのが普通の正しいひざの状態です。
ところがひざ裏にある筋肉が弱化を起こしていたり短縮していたり、形状で言うとO脚X脚XO脚だったりすると、そもそものこのひざの屈曲の動きが間違って行われていることが多いのです。
うだうだ言っててもしかたがないので太もも前の筋肉が伸びることをまず先決に動かしましょう。
正座からひざ立ちに戻る動き
動けるようになってくれば、次に正座からひざ立ちに戻る動きを行います。
痛みの強い頃に無理に行う必要はありません。
少しやってみようかな・・・ぐらいでいいと思います。
この場合、
・つま先を立てた状態で行うとふくらはぎや足裏の筋肉を感じやすく
・正座から行うと、より太もも前の筋肉を感じやすい
と思います。
こういったことも自分の体を探るポイントです。
私には健常な脚に比べて痛めた方の脚には反応しにくい筋肉がありました。
ちょっと驚きました。理由は痛めた方のふくらはぎが細くなっていたからです。
その筋肉を使おうと意識したうえで
「正座からひざ立ちに戻る動き」をゆっくり行うと、この動きは
「ひざを伸ばす」という動作が入っている事が分かります。
ひざを伸ばす動作で使われる筋肉は太もも前の大腿四頭筋です。
ひざを伸展させる筋肉
大腿直筋、中間広筋、外側広筋、内側広筋のこの4つの総称が「大腿四頭筋」です。
実際の動かし方
ふくらはぎの動きを見てください。
正座からひざ立ちの時は太もも前の筋肉を使い、あまりふくらはぎは動いていません。
つま先を立てた状態からひざ立ちをした場合、ふくらはぎの筋肉がより使われているのが見えます。
足趾を立てると足裏の筋肉が使われ(ウインドラス機構)脚の後ろ側がより使われることになりますね。
何度もやっていると正座からひざ立ちをする時にもふくらはぎを意識して動かせるようになります。
ひざを伸ばす動きが分かると次のようなことも容易にできます。
腸脛靭帯炎とはいってもその患部だけが悪いわけではありません。引き起こす要因となった筋肉が必ずあります。(腸脛靭帯そのものが硬い場合においても)
ひざの曲げ伸ばしのオーバーユースで起きた腸脛靭帯炎ですが、
自分の筋肉の使い方を考えて、
ひざを屈曲させる筋肉とひざを伸ばす筋肉を
ほぐした方がいいのか強くした方がいいのかを見極めていきましょう。
私の場合、
〇大腿直筋のすじ(ちょうど鼠径部のあたり)を押すとひざを伸ばすのが容易になりました。そして固くなっていることにも気付きました。
〇縫工筋や殿筋群を意識してひざを伸ばすようにすると腸脛靭帯の痛みが出ないことにも気づきました。
これは発見でした。
〇かかとを押し出すようにひざを伸展させることも必要でした。
〇腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)の内側があまり動いていないことにも気づきました。
〇足趾でしっかり踏み切るように意識的に使うようにしました。
〇ひざを内側に向ける癖をもう一度改めました。
〇ひざを伸ばす動きと膝窩筋(ひざ裏にある筋肉)の働きも考えて、自分の癖がでないようにひざの屈曲のしかたを工夫しました。
そうこうするうちに痛みは減っていきました。
ひざの屈曲に関わる膝窩筋は筋力低下するとひざが過伸展(反張膝)します。
ひざが過伸展した場合の弊害はかなり多いのでまた後日説明します。
発症から3週間後にテニス
階段を下りる時にまだ少し引っかかりがある状態です。
でもテニスはできるだろうなと出かけます。
テーピングはしました。
意識したことは、ひざが内に入るというO脚の癖が出ないようにしたことです。
そして走る時は「かかと」から「つま先」へを意識します。
するとひざは痛くなりませんでした。
帰ってからも特に冷やすこともなく湿布を貼ることもなく次の日も痛みや腫れは出ませんでした。
発症から5週間後にテニス
階段を下りる時に痛みを感じなくなっていました。
前回のテニスから2週間が経ち、5週間後にはいつも通りとなりました。
テーピングもしませんでした。
あと残り少しの痛みに効いたのはこの動きです。
超簡単!これだけで治ることもある!
面倒なことは抜きで、弱いところ、感じやすいところを探して伸ばすだけでも効果があります。
伸びにくいところを意識して動かすだけでも痛みがずいぶん減ります。
見たことのある下のような動きもていねいにやれば結構有効です。
まずはやってみてくださいね。
壁押しふくらはぎ伸ばし
なんてことのない動きですが、自分の使えていない筋肉を探して意識できるようになるので効果があります。
前脚はひざを曲げ後ろ脚はひざを伸ばしたままかかとを上げ下げします。
かかとを下げる時に壁を押す感じです。
後ろ脚の足の向きを
・まっすぐ
・内に向ける
・外に向ける
と変えるとストレッチされる筋肉が変化します。
右足と左足の違いや硬さを調べます。
※足は土踏まずを上げて行います。土踏まずが落ちた回内の状態で行うと正しい結果が出ないので注意してください。
よくこの動きをアキレス腱を伸ばす運動のように勘違いしていることがありますが、アキレス腱はこれでは伸びません。
後ろ脚のひざを曲げて、そのひざを床に向ける力を加えると太もも前、ひざのお皿のちょうど上あたりに力が入るのが分かります。
そこが硬くなっている人にはお勧めです。
その他いろいろ、やれるものは何でもやって動かしてみてください。
1か月ほどで階段を下りる時の痛みは消えました。
人によってどこの筋肉がひざの動きを邪魔しているのかが異なります。
そしてもう一つ。
お腹を凹ますとひざの痛みが減りますよ。理由はまた後日に。
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