少しの運動と空腹を感じれば防げる
こんにちは。きこうカイロ施術院の高田です。
まずはじめに、12月に出版された拙著『病院では教えてくれない「ひざ痛」が消える体の使い方』が重版となりました。
とても見つけにくいところにあるのに見つけて買ってくださった皆さま、置いてくださる書店員さま、最後の最後まで推敲を重ねてくださった出版社の皆さまのおかげです。ありがとうございます。
ほとんどのひざ痛は自分で治せるという事をもっと知ってもらいたいですね。
この記事を書いている時に来られた方の感想です。
「お風呂で言われた通りに正座の練習をしていたら、お茶のお稽古で正座ができたんです。まだ座椅子を使ってですけどもうびっくりして。主人も驚いています。」
と言っていただけました。
「びっくりした!」
この感動がさらに良い効果を生みます。
その方にはさらに楽に曲げていけるある裏技もお教えしました。
やれば必ず応えてくれるのが筋肉です。
怖いから、痛いからとやらなければ劣化するだけです。
残念ですがそれだけではなく脳も衰えていきます。
治しやすい初期の内に、自分の癖ではなく、ヒトの体としての効率の良い動き方をしたならば痛みは消えやすいです。そしてそれよりももっと前の成長期である子どもから思春期の頃に「体の使い方」を自分の骨格に照らし合わせて動かせたならばそもそもそんなに重大なことにはならないと私は思っています。
そうは言っても知らないうちについてしまった体の使い方の癖。それにより筋肉のバランスが崩れ、骨の位置が変わり、神経の出どころが圧迫されると内臓にまで悪影響を及ぼします。それは脳にまで。
ここが痛い、あそこが痛いと歳とともに色んなところが痛くなるのはとてもよく分かります。
でも「動くのは嫌い」と運動を毛嫌いしていると、これはちょっとまずいのです。
本にも書きましたが、ひざ痛になると認知症リスクが1.7倍以上です(大阪大学の研究)。
それとも医師の言う通りに「様子を見ましょう」の間に悪化して、勧められるまま外科手術をしますか?骨を切りますか?人工関節に置き換えますか?
(・関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術(こういけいこつこつきりじゅつ)・人工関節置換術)
参考:潜在患者数は約3,000万人…日本人のひざを襲う「新たな国民病」【専門医が解説】
それならば是非ともデメリットをしっかり把握してのぞんでいただきたい。術後のリハビリよりも
実はひざ痛を起こしにくくする体の形に変えていく運動や歩行を習得する方がはるかに楽(らく)なのです。
今回は最新の「脳」のことをからめて運動をお勧めしていきたいと思います。
認知症を防ぐポイントは
・運動する
・空腹を感じる
この二つを日々の生活に取り入れることです。
ひざ痛は治してもらうものと思ってはいけない
ひざ痛でうちに来られる方の多くはそれまでに整形外科、整体、マッサージ、カイロプラクティック、鍼灸・・・とあらゆるところを回ってきた方です。各種サプリも飲んでみたという人も多いです。
このようになんとか治そうとする人は的を得た運動をお教えするとかなりの割合で劇的に早く良くなる場合が多いです。
気になるのは
「歳をとるとだいたいみんなひざは痛くなっていくものだ」
「(脚を引きずりながらも)なんとかごまかして最後にどうしようもなくなったら手術するんだ」
「もうどうせ治らない」
といった考えの人です。
そして
「体を動かしてこなかった」人。
動いていたとしても「ハーハー」するまではやらない。あるいはやりたくない人です。
そのような方たちの共通点は
呼吸器系が鍛えられていないので、胸周りも硬く、ちょうど更年期と呼ばれる頃ぐらいから全身の不調を感じ出しているということです。
でもまだ日常生活はできている。
ところが認知症の「芽」はもう出ているかもしれません。
認知症の芽
認知症という言葉も知られるようになり、「自分はなりたくないなぁ」となんとなく思っている人も多いと思います。
この認知症の「芽」は発症の25年前から出ているといいます。
65歳以上の高齢者の3人に1人が認知症かその予備軍というデータもあり、
仮に70歳で認知症を発症するとすれば、40代半ばからその「芽」が育ちだしているということになります。
体の不調を感じ出すころと同じなんですよ。
この「芽」とは後述しますが脳の中の「ゴミの蓄積」のことです。
認知症の種類
アルツハイマー型認知症
脳出血などによる血管性認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭型認知症
などがありますが、
アルツハイマー型認知症が全体の7割を占めます。
認知症の原因
そしてその一番の原因は運動不足だということがいくつもの研究の結果で明らかになっています。
さらに、生活習慣病があると認知症になるリスクが上がることは有名ですね。
肥満、高血圧、糖尿病といったものは運動不足と因果関係があることは知られています。
うつ病も認知症になるリスクのひとつです。
過度のアルコールやタバコも。
歯の手入れをしていない、夜更かしをしている、浴室や台所がカビだらけというのも認知症を引き寄せる原因でもあるようです。
このような原因で起こるのは脳に特徴的に見られるアミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質のゴミの蓄積です。蓄積したものがシミとなって神経細胞を圧迫し脳が委縮するのです。
脳のゴミとは?
脳を作る神経細胞(脳細胞)は大脳だけで約160億個あります。
加齢で数は減ります。脳細胞は1日に10万個減るという説もありますが、これぐらいの減りで機能が大幅に低下することはないのだそうです。
それより心配なのはアミロイドβと呼ばれるタンパク質のゴミです。
通常は脳内のゴミとして短期間で分解、排出されるものなのです(オートファジー )が上手く排出されないとそのアミロイドβの出す毒素で神経細胞が死滅して情報の伝達ができなくなり、徐々に脳が委縮します。
その結果、アルツハイマー型認知症が進行することになります。
ゴミの処理に有効なこと
運動をする
運動をすることによってアミロイドβの蓄積が少なくなることが研究で明らかになっています。
そもそも肥満、高血圧、糖尿病といった生活習慣病は運動不足と因果関係があるということは先にも書きました。
運動はうつ病の予防にも効果があります。運動すると脳に刺激を与えるからですね。
「考える」「記憶する」「判断する」
日頃から「考える」「記憶する」「判断する」といった認知機能の活用をしていることもゴミ処理の低下を防げます。
だから「料理をする」のはとてもいいことだと言われていますよね。
何を作るか考える
材料を買いに行く(冷蔵庫や棚を見て何が足りないか考える)
段取りを考え調理する
盛り付ける
片付ける
脳のすべての領域を使いうと言われています。
簡単なものでいいので男性女性問わず作ることをお勧めします。
食べ過ぎない、空腹を感じること
飢餓はアミロイドβの処理にいいと言われています。
しかし過度の飢餓によりアミロイドβが増加することもあるので無理な空腹は禁物です。
「食べ過ぎない」
「空腹を感じる時を作る」
ぐらいがいいと思います。
足指を曲げないでつま先立ちをしてみましょう
じゃあどんな運動をしたらいいのですか?
という質問が来ると思います。
認知症予防にお勧めの運動とは?と調べると
・有酸素運動はウォーキングや水泳、ダンス、ラジオ体操などです。週に3〜4回30分以上しましょう。
・週に2回の筋トレがおすすめです。椅子に座って足をまっすぐ上げたり、料理を待つ間などにスクワット。階段の上り下りも良いでしょう。
・週に2回、30分程度、ストレッチをしましょう。
・体を動かしながら何かをする「デュアルタスク」いわゆる「ながら動作」は効果的。
・必ずしも定期的な運動が必要ということではなく、ガーデニングや家事など日常生活での身体活動も効果がある
・運動ガイドラインでは、ウォーキングやガーデニング、家事など、体を動かす頻度を高め、週の運動時間を150分に増やすことを奨励します。
やらなければいけないと分かっていてもこれではハードルが高いのです。
うちに来られる方にこれらを要求することは無理です。
特に運動が嫌いな方にとっては聞いただけでさらに気分が落ち込んでしまう人もいらっしゃいますから。
足指を伸ばしたままでのつま先立ち
体の使い方を研究している私がお勧めするのは
両足でのつま先立ちです。
足指を曲げないでくださいね。曲げてしまうと足裏の筋肉が使えませんから。
もちろんですが、何かにつかまってやればいいだけです。
ひざ痛の人もそうでない人も
太ももの付け根からつま先までを外側に回して小趾(足の小指)側に重心をかけるようにしてやってみてください。
なぜこれをお勧めするのか?
それはひざや腰、肩お腹の肉など問題のある方たちがみなさん、このつま先立ちが正しくできないからです。
そのような方たちが歩いても走ってもヨガをしても何をしても結局足指の腹を使えていません。
まずはその力をつけてはいかがでしょう。
家の中でできますから。
ひざから下だけが外側に向きやすい人もいるのでこのようなタイプは太ももの付け根からという事をお忘れなく。
それができたら片足でやってみてください。
それができたら歩行の時にしっかり足指の腹で大地を蹴ってみてください。
それができたら安全なところで後ろ歩きをしてみてください。(これについては次回ご説明します)
それができたらその場で最後に足指の腹を蹴るように真上にジャンプしてみてください。
きっと今まで使ってこなかった筋肉を使う事になりますよ。
それが脳への刺激になり、同時にひざ痛持ちの弱点となっている筋肉を鍛えることにもなります。
・つま先立ちをするにはしっかり甲を上げることが大事です。
・過去に捻挫をしたことがある人は足首にある靭帯が伸びてしまっている場合があり、そのような人はかかとを上げるつま先立ちをすると甲を正しい位置で止めらず、ぐにゃっといきすぎてしまいます。
どちらも正しい位置を保つためにはゆるんでいるその他の筋肉(ふくらはぎ、お尻、太もも後ろなど)を使わないといけないことがわかるはずです。それらの筋肉を使ってください。
本当にお腹がすいているのか自分に問う
食べ出すとお腹がすいていなくても案外入ってしまうものです。
食べている時は嬉しいものです。脂や糖の合体したものはなんと満ち足りた幸福感を呼ぶのでしょう。
しかし体は必要としているのか。苦しめていないか。錆びさせていないか。
運動量に対して食べ過ぎていたとしたら問題が起きるのは当然だと言えます。
○○が痛いから一日中いすに座ったままじっとしている。でも三食は栄養が心配だからきっちり食べる。
という人に心配なのは脳です。
何人にもお会いしましたが、本人は気付いてない。それが先に書いた「芽」です。
しっかりお腹を空かせ、脳に危機感を与えると体は(何とかしよう!)と働きだすことを忘れないでください。
物忘れや精神的な落ち込み、やる気の低下や集中力の低下
本人に自覚があってもなくても次のような症状があれば早急に「運動と空腹」を思い出してください。
- 同じことを何度も聞いたり話したりする
- 置き忘れや片付けたことを忘れ、常に探し物をしている
- ゴミの回収日を守らなくなる
- 同じものを何度も買ってくる
- 鍵や財布などの貴重品をよく無くす
- 料理の味付けがおかしくなる
- ささいなことで怒りっぽくなった
- 「財布を盗まれた」など、人を疑うことがある
- 全体的に活力がない
- 趣味や日課に興味を示さなくなった
- やる気がなく、生活がだらしなくなった
- 料理、計算、運転などのミスが目立つ
- テレビドラマの筋が追えなくなり、見なくなる
- 趣味の手芸や工作、料理などの家事を途中で投げ出してしまう
- 約束を守れなくなくなる
ひざが痛いから動かないというのは脳にとっても体にとっても良くないのです。
動くって、じゃあどうやったらいいの?と探したり考えたりができる間は大丈夫。頑張りましょう。
気になることがあれば悩んでいないで一度ご連絡くださいね。
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