こんにちは。きこうカイロ施術院の高田です。
前回の記事「ひざ痛からの認知症を予防する」で現在ひざ痛で行われている外科手術についても触れておきました。
術後のリハビリがとても大事で大変だということをあまり知らない方がいらっしゃいます。
手術すればいいってものではないこと。生死にかかわるとても大きな危険も伴う場合もあるという事を知っておくべきです。
それが血栓症です。
手術が必要な人は術後の心構えをしっかり知って病院選びにも役立ててほしいものです。
そして何よりも手術をしなくて済むように日ごろからの体作りと正しい体の動かし方を意識していただけたらと思います。
“血栓ができるから手術はやめた方がいい”ということではありません。
血栓症
実話
今から10年ほど前だったでしょうか。ある年配の知り合いの奥様と何度か立ち話をすることがありました。その時もちょっと用事があってお家に立ち寄りお話ししたのですが、それから約2か月後、また用事があって呼び鈴を鳴らして出てこられたのはご主人でした。
「亡くなっちゃったんだよ。」
「ちょっと足の手術をしただけだったのに急に苦しいって言って。」
「病院に入ってからたった1週間でだよ。」
足がお悪いというのは歩くご様子でなんとなく感じてはいましたが、そのことについてお話しすることはありませんでしたし、手術をされるということも知りませんでした。本当に気軽に手術をされたのではないかと思います。
頭の中が真っ白になると同時に浮かんだのは「血栓症」です。症状からして間違いありません。
ついこの間お話ししたばっかりなのに・・・。その時の私個人としての悲しみと手術しなくてもほかに方法があったんじゃないかという治療家としての気持ちとで結構落ち込みました。
だからさらに研究しましたし、世間に認められなければという思いが強くなりました。
(「もういつも行く、決めてる整体があるからね。」と奥様にそれとなく言われたことがあって私の方から診ましょうということはありませんでした。)
だから皆さんに早めに体の使い方、足の使い方を知ってもらいたいというその気持ちは本気なのです。
血栓症とは
詳しくは
肺血栓塞栓症(はいけっせんそくせんしょう)・深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)といいます。
肺血栓塞栓症とは、術後の安静や長期臥床(長い間寝たまま)により血液の巡りが悪くなり、太ももやふくらはぎの筋肉内にある下肢静脈に血栓(血のかたまり)ができ、それが血液の流れに乗って肺の血管まで運ばれ、つまってしまう(塞栓)病気のことです。かかった人の死亡率は14%とのデータがありその多さに驚きます。
症状
その症状は突然現れることが多いです。「エコノミー症候群」は肺血栓塞栓症の別名です。
・息切れ
・呼吸困難
・冷や汗
・息を吸うときの胸の痛み
・下肢の腫脹、圧痛、発赤
血栓が大きかった場合は重篤になりやすく
・めまい
・失神
といった意識障害が出たり、心停止してしまったりすることもあります。
病院での対策
肺血栓塞栓症は自覚症状がない場合が多く、発症前に発見されるのは稀(まれ)です。
肺血栓塞栓症を診断するためには造影CT,肺動脈造影、シンチグラムなどが用いられます。深部静脈血栓症の診断には超音波検査、造影CT、静脈造影などが用いられます。
しかし手術後に毎日これらの検査を行うことは不可能です。
だから病院でも予防と対策をとっています。
予防と治療(各病院での取り組み)
手術後、早期の歩行を最大の予防としています。
ベッド上での安静期間には足首をしっかり自分で動かすことが必要です。
これらを徹底し、指導している病院であることが病院選びの判断材料ともなります。
病院では「抗凝固薬」を術後に使用する場合があります。
発症した場合の治療法は次のようなものがあります。
①抗凝固療法
②血栓溶解療法
③カテーテル治療、肺動脈血栓摘除術
④下大静脈フィルター
大事に至るとほんの足指先の手術が生死の分け目になることもあるのです。
上の赤い文字を見てお分かりいただけたと思います。
最先端の医療を行う病院でも
「手術後、早期の歩行が最大の予防です」
「自分で動かすことが必要」
と言っているのです。
術後だからとのんびりしているわけにはいきません。ある程度の痛みと怖さを克服して勇気をもってリハビリに励むことが大事なのです。
結局、「体は動かすと良くなる」「動かさないと良くはならない」ということを知ってほしいですね。
血栓症を完全に予防する方法は現在まだない
血栓症を起こしやすいと考えられているひざや股関節の人工関節では、血液を固まりにくくする「抗凝固薬」を術後に使用する場合があります。
抗凝固薬で出血の合併症が生じる可能性はあります。
しかし血栓症を減らすことが知られているから使うのです。
早期診断と適切な治療が大きく死亡率を改善する
1996年時(100万人当たり28人)に比べると
2006年時(100万人当たり62人)で10年前に比べ2.25倍に増加ししています。
2017年改訂版の「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン」を読んでみると入院患者に対する一次予防の普及によりそののち減少傾向にはあります。
性別や好発年齢については日本人では男性より女性に多く、60歳代から70歳代にピークを有するとなっています。
日本での一番最近のデータでは急性肺血栓塞栓症309人のうちの死亡率は14%であるということです。(ということは43人近くが亡くなった)
欧米のデータでは、診断されずに未治療の症例での死亡率は約30%と高いけれども十分に治療を行えば2~8%まで低下するとされています。
【例】外反母趾 内反小趾
絶対に手術はしたくないと言ってかなり強めの外反母趾の方がひざが痛いと来られることがあります。
きっと血栓症のことなどを知ってのことかもしれません。しかし実際の足の形体は要手術の状態です。
外反母趾を治すためのシリコン製のゴムや靴底に敷く足底板、靴が売られています。
治す方法としてテーピング方法などもありますが、要手術級はテーピングだけでは固定が難しいです。
指も重なってしまい、浮いた指は動かそうとしても動きません。
重症にならないうちに外反母趾にならない足の使い方を知っておくべきだと思います。
外反母趾が進行している方はさらに頑張ってトレーニングする必要があります。
厳しく言いますが、そうしないと歩けなくなりますよ。
外反母趾に同時に起きているのは回内
外反母趾の場合同時に起きているのは足の回内だということなのです。
要するに偏平足になっているということですね。土踏まずが落ちてしまっているのです。
足裏のアーチが落ち、母趾が正しい方向に向かなくなるわけですから正しい重心のとり方ができなくなる。
という事はつまり、使われない筋肉も出てくるわけです。
さらに重心のバランスのとり方がひざをねじることや太ももを内旋させることで成り立たせている場合、ほぼ必然的にひざを痛めることになるでしょう。
回内の治し方はこちらを一度ご覧ください
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対策で一番大事なこと
一番大事なのは
親指の付け根が飛び出さない足の使い方をすること。
小指の爪が真上を向く足の使い方を知っておくことなのです。
やはり筋肉の力が必要なのです。
気になる方は一度お越しください。
YouTubeやショート動画、本だけでは分からないことが分かると思います。
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