こんにちは。
きこうカイロ施術院の治療トレーナー、高田祐希です。
前回の記事で
実は「後に問題が起きやすい人」とオリンピック級の選手とは紙一重だという事
を書きました。
体が柔らかいというのは筋肉が長かったり、伸びやすいタイプだけでなく
関節の可動域が広い人もいて
それらは上手く使えばスポーツ選手にとっては「有利」です。
その特性にプラスして「筋力」を上げたなら
良い指導者とともに理解して進めば、あるいは自力でも、それなりのアスリートになれると思います。
ケガが少ない選手になれる。
自己流の体の動かし方の罠
しかしTVやYouTube、Instagram、TicTokなどで指導している側がこのタイプ(筋肉が柔らかい、可動域が広い)の場合、自分の特性で進めているので一般の人には危険になる場合があります。
だから見ていてぞっとすることがあります。
指導者・・・元から運動ができる人が多い・・・筋肉が柔らかい、関節可動域が広い人が多い・・・
見た目をまねてるだけでは効果は期待できません。
成功する人と言うのは「同じタイプ」の素養を持っている人なのです。
ちょっとやるだけで効果はてきめんなのですが、これも後々にはどうでしょう。
正しい知識でやらないと人生後半に色々出てくるといくら言っても若い人には伝わらないのが残念です。
パッと見てパッと分かるだけのものしか流行らない。
お正月にあった番組「令和ロマンの娯楽がたり 「芸人が売れる最短ルート」とは?人はなぜ考察せずにはいられないのか?」でのあのちゃんの発言がすごかったです。
パッと見て何をしているか分かるだけの技術で満足してたら「バカ」ってことですかね?
あのちゃん、好きです。
流行らせるためには簡単なものであることは必須ですが、体に関して言えば、パッと分かるものだけで作り上げることはできません。
○○だけはやばい!やればやるほど太くなる
私は下半身デブ、特に脚で悩んできたのでカイロプラクターになる前まであらゆることをやってきました。
全然細くはならなかったです。体重は落ちても脚は太いままというのを経験してきました。
ふくらはぎが太いと言えば「かかとの上げ下げ」。(間違ってやったらもっと太くなる)
太ももが太いと言えば「むくみ、リンパ、スクワット」。(一番必要なことが抜けてる)
お腹の肉と言えば「腹筋」。(そもそもやり方を間違っている)
指導者の自分の成功体験だけで教えている場合もあり、それが受けてしまうと実はあとが大変なんです。
とはいえ、「どれやってもあかんわ」と何もしなくなってしまうのが一番危ない。
やり方を教えてくれない
ここで読んでいただきたい記事があります。
⇒「体育を恨んでいる人がいるなんて知らなかった」“運動が得意な人”の素の発言がXで話題に…運動嫌いを量産する学校の体育の問題点とは?
ここで書かれていることは
「体育嫌いは、体育の先生がつくる」
・・・1対多数で教える授業では、丁寧に教えることができないうえ、構造的に「さらし者」を生むような授業になってしまうようだ。・・・
・・・さらに、教える教師のマインドにも問題があるという。
「私も体育教師をやっていたのですが、私自身は体育やスポーツが好きなので、見ればだいたい分かるしできちゃうんですよね。自分ができる人は『なんでできないんだろう?』と純粋に思い、そのまま言葉に出てしまうこともあると思います……。これこそが、いちばんダメなことなんです」
・・・「運動が得意な人は体育が苦手な人の存在を想像できない」
・・・自分ができてしまうだけに、できない子に対してどう指導していいか分からない教師も多いのだろう。
確かに、今の体育の授業は、運動ができないことは気づかせてくれるけど、どうやったらできるようになるかは教えてくれない印象だ。
やり方を教えてくれない。なのに運動テストで(高校などは特に)すぐ成績が決定する。
それは図画工作、美術にも共通することで、いろんなテクニックがあるという事も教えもしないで、「遠足に行った時の絵を描きましょう」で終わってしまうのはいかがなものかと思います。
「お友達のを真似してはいけません」などと言われた際にはどうしていいやらわからないじゃないですか。
秀でている子は秀でているのでその評価は是非ともしてあげたいと思いますが、それ以外の子たちにもできるようになる楽しみを覚えて欲しいというのが教育ではないかなと教師をしていた時から思っていました。
これこそが「未病を治す」ということ
「○○だけ」が喜ばれるのはいつの時代も同じですが、人生が長くなりました。
体が動かなくなる年数が長くなると辛いだろうなと若い人でも想像はつくでしょう。
その「芽」は間違いなく若いうちから出ています。
筋肉が伸びやすかったり関節の可動域が広いと体の支え方を間違いやすいということです。
自分にとっては普通だからいつまでたっても体の使い方を変えられない。
自分の特性を知らずに一部の筋肉に無理をさせてしまっていたら?
さぼらせている筋肉があったら?
簡単です。
体の形に表れていますから、そこはしっかり見ていきましょう。
使い過ぎの筋肉とさぼり過ぎの筋肉があるわけですからバランスが悪いというただそれだけのことです。
はっきり形として表れるのが
「O脚」「X脚」「XO脚」。
「お腹の肉」。
「ひざ痛」は何も加齢だけが原因ではありません。
単純に「動かし方」を変える努力をするだけで変わることです。
放っておくと歩けなくなるリスクがあるから先に動き方を改善しておくというのは
将来起こるかもしれない病を起きないようにしておくという
「未病を治す」ということになるのです。(医学気功師でもあります)
じゃあ何をしたらいいの?
と思いますよね。
土踏まずを上げた状態で
股関節の伸展の力と
股関節の外旋の力と
股関節の内転の力を
お腹を凹ませ
胸を持ち上げ
腕は下げ脇を締めて作り、一生立てたらいいわけです。
ここであえて体の後ろ側の力を言ってませんが
本来できているはずの上に書いたような動きをするには
当然、体の後ろ側の筋肉にも自然に力が入っているものなのです。
だから
自分にとってどこの力の入れ方が苦手なのかを知るといいわけなんです。
これが人によって違う。
「わかる」と「できる」は違う
ちゃんと指導者が教えているのに聞き入れてもらえない場合もあります。
自分のやり方を変えられない人もいます。その原因が人によって違うのですが、案外
頑固になっている
プライドが邪魔をしている
反射的に反発する
こういった、結構心理的なことから起きたりもします。
自信過剰になっていたり、プライドが高すぎたり、指摘されると否定されたと思ってしまったり、自己主張ばかり激しいと新しいものを吸収できなくなります。
これこそが老化です。
「今の私を受け入れて」
「私のことを分かって」も痛いほどよくわかりますが、体は待ってはくれません。
その固定観念は正しいのかと疑問に思える柔軟性が必要です。
ちょうどこれを書いている時に「ひざ痛」でお悩みの方が来られました。医療に詳しい方でしたが、だからといって体の動かし方に詳しいわけではありません。写真や動画でご自分の状態を把握していただき、
動かし方をお教えして何度かやっているうちに「ひざに痛みがないこと」に気付かれました。
固定概念をなくすという事はとても大事なことなのです。
疑問に思う事が大事
「○○だけ」で本当にいいのか?
「〇〇だけ」ではだめなんじゃないか?と疑問に思ってください。
これらはダイエットや脚痩せやお腹痩せ、ひざ痛などすべてに当てはまることです。
そこでようやく山本由伸選手なのです。
山本由伸選手の何がすごいのか
大谷翔平選手がエンゼルスからドジャースに移籍し、その直後に山本由伸選手もオリックスから入団しました。
山本選手は最初のドラフト会議でオリックスに4位で指名されています。
1位指名は受けていないのです。
しかしそこからの成長がスピードが半端ない。身長178センチ、体重80キロ。プロの投手として決して肉体的に恵まれているわけではありません。
何をしたのか?
一般的に先人たちからすると「非常識」な投げ方にあえて変えた。
これは固定概念に疑問を持ったということではないですか?
1位に指名されなかったことにも理由があるのですが、
山本選手をスカウトした山口和男氏にも固定概念に捉われない眼力があったこともこの素晴らしい選手が生まれた理由でしょう。
山本由伸選手
(参考にした本はこちらです。「山本由伸 常識を変える投球術 (新潮新書)」)
日常の練習でどれだけ努力の成果を積み重ねていけるかで、未来は大きく変わっていく・・・
とこの書でも書かれていますが、山本選手の素質が大いに関わっています。
自己分析ができる
人として誠実
思考能力がある
野球界では自分の経験則で指導が行われることが多いそうで、自分のやり方を選手に当てはめようとする場合が今も多いそうです。
それだけでなく、現実として
「俺の言う事を聞かなければ、試合で使わないぞ」
という”ハラスメント”まがいの言動も珍しくないそうで、どこもいまだに同じだなぁとため息が出ますね。
「自分は自分のやり方で行く」というメンタルの強さ。
頑固になっている、プライドが邪魔をしている、反射的に反発するではできないですよね。
「しなり」を作る
肘は曲げない、筋トレしない、得意球のスライダーは封印。
ここで変えたピッチング方法を詳しく書くことは控えますが
私が「やっぱりな」と思ったのは「しなり」です。
前回やり投げの北口榛花選手や大谷翔平選手、石川遼選手、入江陵介選手などを例に関節が柔らかくさらに筋力をつけるとアスリートにとっては最強になるが、一般人の場合、関節が柔らかいだけだと困ったことが多くなるということを書きました。
山本由伸選手はもともと体が柔らかかったわけではないそうです。
柔らかくするための筋肉を作ったというところをブリッジの動画で見て欲しいと思います。
反り腰系のお腹の筋肉が伸びやすい、体が柔らかめの方はブリッジができる(あるいはできた)人も多いです。
そういった人たちはくにゃっと普通の可動域を超えていくのでうらやましいのですが、その柔らかさに頼っていると本来使われる筋肉が弱化し、人生後半でいろいろ問題が起きやすいです。
山本選手はこの柔らかさを作り出す筋肉を鍛え、投球においての「しなり」につなげたと言います。
可動域を超えるところからのしなりは
前回の私の記事中、北口榛花選手の所で書いた
彼女の体から感じるのは「しなり」。鞭(ムチ)です。
とやはり通じています。
実際山本選手は体の動かし方の中で「やり投げ」をピッチングの上達につなげています。(やり投げのやり方をしているわけではありません)
体幹の力が抜けないようにする
体幹の力が抜けないようにするとはどういうことだと思いますか?
やりやボール投げの練習をするにしてもまず前段階として「お腹周りの使い方」から「全身のトレーニング」を3時間やった後だそうです。
簡単に言うと
「お腹を凹ます」
ただそれだけのことです。
運動選手やアスリートなど筋肉レベルの高い人へだともっとテクニカルな言い方も可能ですが
私は一般人、それもどちらかというと運動があまり好きではなかったり、自己流で解釈してきて故障したり、太くなりすぎたりしてきた人たちを相手にしている場合が多いので簡単に言うと
お腹を凹ませ続けられない
これが体幹の弱さです。
お腹を凹ませた時に力が出せない。息を吸うとお腹が出る。息を吐く時もお腹を出しっぱなし。
おまけに疑問も持たずにやってきた動作ですから
自分勝手な固定概念を打ち破る「努力」がないと体は変わりません。
サプリや薬では治せないことなのです。
お腹を凹ませてやったブリッジに含まれているのは
お腹を凹ませてやったブリッジに含まれているのは
上の方で書いたこれらです。
土踏まずを上げた状態で
股関節の伸展の力と
股関節の外旋の力と
股関節の内転の力を
お腹を凹ませ
胸を持ち上げ
腕は下げ脇を締めて・・・
当然、体の後ろ側の筋肉にも自然に力が入っている
何もブリッジを勧めているわけではありません。下手にやると危険ですから。
何が自分の体に必要な動きか
体を柔らかくする筋肉を作る
体の柔らかさに頼らない
これらは人によって違いますから
体を変えたいのであれば、一度自分の動き方を冷静に観察してみてくださいね。
多くの人のお役に立てますように。
高田
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