ふくらはぎが太くなるもう一つの理由（その２）

ひざ過伸展（反張膝）の人

前回もご参照ください。

⇒あなたはどっち？ふくらはぎが太くなる２つの理由（その１）

骨盤前傾と深く関わっている事とともに太ももが太くなることにもつながりましたね。

今回お教えするのはもう一つの理由です。

②ひざ過伸展（反張膝）

反張膝やひざ過伸展・・・聞いたことがありますか？

名前がわからなくても自分の脚は、このタイプかもと感じている人は多いかもしれません。
ひざ裏を後ろに反ってバランスをとる姿勢です。
垂直に下ろした線の０度を超えるひざのことです。

ひざ過伸展（反張膝）の定義

別の定義で言うと
！のマークの角度が10度以上ということです。
真上からまっすぐ線を引いた場合（矢状面）ひざ関節が１０度以上伸展している状態です。
ひざが伸展しすぎてしまっているということです。

ひざ過伸展（反張膝）の特徴

ひざ過伸展（反張膝）に起こりやすいこと

・太ももの前の筋肉とふくらはぎの筋肉が発達してしまう
・関節がゆるい
・からだのどちらかに回旋気味
・O脚とX脚はともにひざ過伸展がある
・ひざを曲げる力が弱い
・つま先を上げるのが苦手
・脚の後ろ側の力が弱い
・重心が後ろにかかりすぎる


骨盤の前傾タイプ、後傾タイプ両方にひざ過伸展は現れます。

症状として起きやすいのは
・ひざ痛
・ひざ裏にぷよぷよしたものがある
(⇒<ひざ痛克服＞「ひざの後ろ側の痛み」はひざ過伸展（反張膝）の人が多く感じている（リンパも詳しく）
・下半身が冷えやすい
・脚・足がむくむ
・脚・足がだる重い
・呼吸が浅くなる

といったものです。

足の動きはどうなっているのか

　「つねに足の関節が底屈している」

という状態になります。

ひざが過伸展しているので足が底屈する

前回の記事でも底屈について書きました。
股関節が伸展しないから足の底屈で歩かざるを得ない・・・それが一つ目の理由でした。

今回はもともとのひざが過伸展しているため
足首が底屈したままというのが理由です。

足を底屈させる筋肉はふくらはぎにある筋肉です。

ずっとふくらはぎの筋肉が底屈している状態で、緊張したままなので

「ふくらはぎに筋肉のこぶができて太くなる」というわけなのです。

腓腹筋とヒラメ筋

足を底屈させる筋肉は主に
「腓腹筋」と「ヒラメ筋」です。

アキレス腱とは腓腹筋とヒラメ筋をまとめている腱のことです。踵骨（かかとの骨）に付いています。

腓腹筋

一番表面にあるのは「腓腹筋」です。
上部でふたつに分かれてハムストリングスにつながっている筋肉です。

図で説明している通りなのですが
もう一度腓腹筋を確認します。

ひざが過伸展するとどんどん底屈が強くなるわけです。

そして

ひざを伸ばす作用は本来太ももの前面の筋肉です。

ひざを伸ばす筋肉が発達するということは
太ももの前が太くなってしまうということにつながるのです。

ヒラメ筋

ヒラメ筋は足の底屈の筋肉です。

ひざが屈曲した状態で足を底屈するときによく働きます。
腓腹筋のときとは異なり、ひざが過伸展した状態では足の底屈は弱くなります。

ひざ過伸展は軽度でも要注意

バレエダンサーや新体操の選手もひざの過伸展（反張膝）でバランスをとっている人は多いです。
彼ら彼女たちは鍛え上げた筋力の上での姿勢です。

一般の筋力のないひざ過伸展とは異なります。

病的ではない軽度のひざ過伸展でも、その癖から
「ひざ痛」を起こす場合も多く注意が必要です。

ハイヒールなどヒールのある靴

そしてヒールのある靴をどの姿勢のバランスで履いているかは考えてみる必要があります。

ひざ裏を反りだしてバランスをとっているのであれば要注意です。

長時間、長い年月であればあるほど筋肉に癖が出てしまい、太くしたくないふくらはぎや太もも前が張ってしまうのです。

ヒールのある靴をはいていると底屈状態がより強くなるのがわかりますね。

正しくない筋肉の使い方で歩くのが癖になってしまうと筋肉のバランスが崩れてくるというわけです。

NHKで紹介していただいた「無痛ハイヒール」は
耐震マットをはるだけで足先が楽になるというものですが、実はこういった足の仕組みも考えたうえでの知恵から来たものです。