間違った姿勢により使われない筋肉が生まれる
前回さらっと「腰痛、お腹ぽっこり、尿失禁、骨盤臓器脱・・・」と書きました。(⇒「魅せる姿勢」だけを続けていたら未来のからだに何が起こる?)
腹筋力があれば、あるいは強い背筋力があれば、骨盤前傾でも反り腰でもなんとかやっていけるでしょう。しかしそういうわけにはいかないのです。
困ったことが起きてきた・・・そういう方がたくさん来られますがその理由は、
間違った姿勢により使われていない筋肉ができてしまったことにあります。
自分にとっての楽な姿勢が実は体を痛めているという事実に目を向けてみましょう。
実例 X脚、腰椎前弯、ひざ過伸展
写真の方の脚はとてもきれいです。O脚出身の私からすれば、この方の生まれ持っての脚のまっすぐさにうらやましさを感じます。
骨盤前傾タイプで、腰も高い。
ということは脚も長めで欧米人の体型に近いのです。ご本人がそれに気づいていないのがもったいないことです。
お仕事上前かがみの姿勢が多く、そしてその姿勢のバランスのとり方の癖でできあがった体の形です。食事を減らすダイエットだけでは希望の体の形にはならないし、すぐにあきらめてしまうようになったといいます。
注目すべきは諸症状
そして体に幾種類もの症状がでてきていることに注目してください。
「よい姿勢」を間違っていると使うべき筋肉が使われなくなります。
骨盤前傾は後に体に問題が生じやすいです。
腰椎の前弯が強いと何が起きるか
骨盤が前傾すると腰の骨の前弯が生じます。
生まれつきこの腰椎の前弯が強い人もいます。
するとどうなるか。
理由①体幹を支える筋肉特に腹筋が弱くなるのでお腹が出る
「へーっ」「お腹に肉が付くのね」だけで終われない重要な問題が生まれます。
お腹周りの筋肉が衰えると内蔵は下がる
そもそも心臓や肺は大事なところなので、胸椎・肋骨・胸骨からなる、かごのような胸郭(きょうかく)という骨格で覆われています。
しかしお腹は覆われていないのです。
内臓は腹膜というカーテンのようなものにぶらさがっているだけなので筋肉がしっかりしていないと内臓が下がってきてしまうのです。
日本人は腸が捻じれていることもよくあるといいます。便は腸の曲がり角でよく詰まりますからこの腹膜および内臓を正しい位置に戻してあげるためにも筋力が必要なのです。
重力に打ち勝つ力が衰える
重力が理由ということもあります。
加齢が進むにつれ、内臓は機能も衰え下がってきます。
内臓を上げる努力をしなければ人生100年時代を最後まで元気でいることは難しい。
内臓が下がって起きること
「え?内臓が下がって何が悪いの?」
ここで「骨盤臓器脱」につながります。
多くの方が悩んでおられますが、内臓が膣から一部出てしまうのです。
その違和感に悩んでいる方は非常に多いのですが婦人科へ行っても「様子を見ましょう」で終わっている場合がほとんどです。
怖く感じるものですが
お腹の筋肉の使い方と太ももの筋肉の使い方を習得するだけで改善します。
内臓が引きあがる感覚が分かればいいわけです。
「お腹に力を入れて」と言わない理由
腹筋を鍛える時に私は「お腹に力を入れて」とは言いません。なぜなら
「お腹に力を入れて!」
と言うとそのやり方は大きく分けて、二通りあるのです。
・お腹を前に突き出して力を入れる(右の図)
・お腹を凹ませるようにして力を入れる(左の図)
この図は田舎中真由美氏の論文「骨盤底筋群機能障害に対する評価とアプローチ」からのものです。
「力を入れる」という動作が人に異なるのです。
「排泄時の力の入れ方」も人によって異なります。
声楽家の腹式呼吸は左
前者は骨盤前傾タイプに多い(右の図)
後者は骨盤後傾タイプに多い(左の図)
特に腹筋が必要な声楽家の発声法は左です。
力を入れて息を吐く時にお腹を凹ませます。
ここでは詳しくは書きませんが
前者だと「内臓を下に押す力」が同時に働くのです。そして膀胱が押され
・尿もれ
・トイレが近いにもつながります。
くしゃみやせきのたびに漏れるという人はお腹を前に出しているタイプではないでしょうか。
うちでは
「お腹を凹ませる時に息を吐き力を出す」ことを練習します。
簡単なようですが、長い時間続けることが案外難しい。(呼吸筋ともつながりますから)
骨盤前傾はお腹を凹ませる力が弱い→お腹が出る
日常で物を持ち上げたり、引っ張ったり、つかんだり、力強く歩いたり・・・と
力を要する動きはたくさんあります。
力を入れるたびに「お腹を前に出す」動作を繰り返しているとお腹は出ます。
まずはお腹を凹ませることからやってみましょう。
足の位置も正しいとなおいいですね。参考にしてみてください。
(⇒足の本当の位置はここ。「回内」「回外」を治すと運動効果は上がる!)
⇒「猫背(円背)で腹筋のない人はお顔のたるみにご注意!」)
身に沁みます。
・基礎中の基礎をやること
・それを常態化させること
・何を積み重ねるかということ
・何事も経験で克服できるということ
・無意識化で使えるように体に覚えさせること
・無意識で行えるように反復すること
・まずは無意識化で2つのことをやれるようにする
・それが終わればまた1つ増やしていく
・礎となるのは地道な積み重ねだということ
・それらをしなくてもいい例外はいる(それはずば抜けて運動能力の高いオリンピック並みの選手や生まれ持ってスタイルのいい人)
・しかしそうでない者は積み重ねるしかないということ
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